ロシアへの輸出に関するガイド

Boxberry LLC によるロシアの物流に関するガイドを使って、ビジネス展開を計画する

欧州第 5 位の経済規模、高いオンライン普及率1、人口 1 億 4,500 万人以上2のロシアは、海外展開を検討している多くの企業にとって魅力的な市場です。このガイドでは、ロシアでビジネスを行う際の基本について説明し、ロシアが最適な輸出市場であるかどうかを判断できるようサポートします。最初に、ロシアの経済と人口分布、輸送インフラ、経済レベルについて見ていきましょう。

1 経済

2019 年のロシアの GDP は 1 兆 6,400 億ドルで、アメリカ(21.44 兆ドル)、ドイツ(3.86 兆ドル)、イタリア(1.99 兆ドル)に次ぐ 11 位でした1。広大で多様性に富んだ国であり、中部および西部地域にはニジニノヴゴロド、サンクトペテルブルク、首都モスクワなどの大都市が集中し、東部には農村地域が広がっています。そのためロシア市場全体でビジネスを成功させるには、直接参入する場合には特に、ローカライズに関するマーケティング努力を集中的に行うことが重要です。

2 輸送

ロシアは、世界最大規模の輸送インフラを有しています。広範囲にわたる交通網を持つモスクワなどの大都市を結ぶ道路、鉄道、航空のネットワークは約 7,000 km に達します。実際にロシアの鉄道網は、アメリカ、中国に次ぐ世界第 3 位の規模です1

3 e コマース

ロシアの消費者の間でオンライン ショッピングは一般的です。e コマース市場は実体経済や従来型の小売業と比較して 10 倍の速度で成長しています。2019 年上半期には、e コマースでの販売は前年比で 26% 増加し、7,250 億ルーブル(約 100 億ドル)に達しました。この成長の大部分は、Wildberries などのロシアの大手オンライン小売業者が占めています。その注文件数は前年同期のほぼ倍となる 6,100 万件で、これはロシアにおけるオンライン購入の約 3 分の 1 を占めます。ロシア全体の小売販売においてオンライン販売が占める割合は約 4.5% で、e コマース市場の規模は世界の上位 10 か国に入っています1

4 顧客について理解する

買い物客の傾向や好みは世界中で異なりますが、特にロシアには顕著な特徴があります。ロシアでビジネス展開する前に、運営の準備を行い、企画を作成し、優れた顧客サービスを提供するために以下の 6 つのことを理解しておく必要があります。

  • オンライン販売を躊躇しない: ロシア人の 42% が過去 6 か月間にオンラインで買い物をしたことがあり、モスクワでは 60% に達しています。年間の購入回数が 15 回以上のオンライン買い物客は 2019 年に 25% 増加し、3~4 種類の小売カテゴリの商品を一括購入する傾向も高くなっています。

  • 宅配ではなくピックアップを検討: ロシア人の 86% は、宅配よりもピックアップ ポイントや配送会社での受け取りを好みます。

  • 海外企業であることに自信を持つ: ロシアの消費者は、特に子供服やおもちゃ、健康とウェルネス関連の商品、高級品は、国内ではなく海外の商品を選択する傾向があります。

  • 送料無料にする: オンライン プロモーション活動を行う際、ロシア人が送料無料と商品の割引を重視していることに留意してください。

  • 迅速に出荷: ロシア人は、国内のオンライン ショップで購入する際にも迅速な出荷を求めます。ただし、国外からの配送には、それよりも時間がかかることは受け入れています。

  • 大きな価値を提供: ロシア人の 64% は、国内ではなく海外の販売者から購入する最大の理由は価格の安さだと答えています3

5 輸送と配送

販売の確定後、商品を迅速かつ無事に、適切な料金で顧客に届ける必要があります。ロシアでは、国境をまたぐ配送は通常、次の 6 つのステップで行われます。

  • ステップ 1: 顧客は、ラストマイル配送のオプションとして、信頼できる宅配業者の中から好みの業者を選択します。

  • ステップ 2: 担当する物流業者が配送を手配します。

  • ステップ 3: オンライン小売業者が最寄りの配送センターに商品を出荷します。

  • ステップ 4: 物流会社が顧客の国まで商品を配送します(航空、カーゴ、トラックでの輸送)。

  • ステップ 5: 物流会社が注文データを税関に提出します。このデータには、顧客の氏名、住所、電話番号、パスポート情報といった個人情報やデータが含まれます。

  • ステップ 6: 物流会社が顧客の自宅住所や荷物ロッカー、受け取り場所までの配送を手配します。一般的に、ロシアの顧客は、特に海外からの荷物の場合、宅配よりも受け取り場所への配達を好む傾向があります。大都市に住む人たちの多くは外出していることが多く、宅配を待てないことがあるためです。

6 B2C 配送の手段

ロシアでは B2C 配送も人気があります。この場合、国際物流業者が直接顧客に商品を発送します。また、顧客に代わって税関手続きも管理します。先のケースのように、顧客は個人データを提供し、物流業者は GDPR 規則に従ってデータ保護を行う必要があります。

税関を通過後、荷物は顧客の都市まで配送されます。その後、顧客が選択したラストマイル配送の手段(受け取り場所、荷物ロッカー、宅配など)を介して、配送が手配されます。

この方法では B2C 物流業者がエンドユーザーと直接やり取りするため、輸出業者によっては好ましい方法となります。また、配送方法や期間などの質問に対応する必要もありません。

7 ロシアでのビジネスに向けて準備する

活気ある e コマース市場、優れた労働力1、海外の製品やブランドに対する高い需要2があるロシアは、ビジネスにとって魅力的な新規市場になる可能性があります。ビジネス展開の際には、このガイドのデータとインサイトをご活用ください。Market Finder のサイトでは、ロシアでビジネスを行うための無料のリソースやヒントをご覧いただけます。資金調達、貿易環境、電力事情などのパラメータに基づき、ロシアでのビジネスのしやすさを他の国と比較している世界銀行の「ビジネスのしやすさ指数」(Doing Business Index)も参考になります。