カスタマーケア業務を効率化するナレッジ マネジメント

エージェントが適切なタイミングで適切な情報にアクセスできるようにする

1 概要

ナレッジ マネジメント(KM)は、広範なナレッジを構築、取得、共有し、効果的に活用するプロセスです。カスタマーケアにおいて、このプロセスは、社外向けの用途(顧客に対応するヘルプセンターやよくある質問)と社内での用途(エージェント向けの参照資料、トラブルシューティング ガイド、返信定型文)のどちらにも適用されます。

堅牢なナレッジ リポジトリを構築するには、場合によって時間がかかること、またそのコンテンツは継続的に更新する必要があることを認識しておきましょう。必要な労力の程度は、ビジネスの複雑さや、社内の業務に変更を加える頻度によって決まります。

重要な考慮事項:

  • ナレッジ マネジメント システムはサポート業務に不可欠です
  • ナレッジ マネジメント システムをサポート ワークフローに直接組み込みます
  • 顧客の問題の分類にナレッジ コンテンツをマッピングします
  • ナレッジ コンテンツは、商品やサービス、プロセス、組織を対象範囲とします
  • ナレッジ コンテンツを最新の状態に維持することが重要です

2 ナレッジ マネジメント プラットフォーム

カスタマーケア業務の立ち上げと運用に必要なすべての情報を格納、維持し、アクセスできるようにするためのプラットフォームが必要です。

ビジネスで随時生成される新しい情報をサポートし、チェンジ マネジメントを効率よく実行できるよう、柔軟なナレッジ マネジメント システムを構築しましょう。

重要な考慮事項:

  • 検索 - エージェントは自分のタスクに最も関連のあるコンテンツに簡単にアクセスできますか?

  • 編集 - エージェントはナレッジ コンテンツへのフィードバック提供や変更の提案を行えますか?

  • チェンジ マネジメント - ナレッジ コンテンツの異なるバージョンを追跡し、変更があればエージェントに通知できますか?

  • インサイト - ナレッジ コンテンツの利用状況を追跡して、トレーニングによって改善を見込めるトピックを特定できますか?

3 ナレッジ リポジトリのコンテンツ

ナレッジ リポジトリのコンテンツの質が高ければ、問い合わせへの対応が改善され、回答にかかる時間を短縮できます。また、顧客の問題を一貫性を持って的確に解決できるようになり、セカンドレベルのサポートへのエスカレーションを減らすことができます。

ナレッジ リポジトリのコンテンツの範囲や深さは、ユーザー層やサポート対象の商品やサービスによって異なります。ビジネスの対象とする市場の範囲を考慮することも重要です。場合によっては、言語、文化の違いや、地域固有のワークフローに応じて、ナレッジ コンテンツをローカライズすることが必要になります。

一般的に、ナレッジ コンテンツは次の 3 つのカテゴリに分類されます。

(i) ワークフローやトラブルシューティングの手順

このコンテンツでは、顧客の問題を解決するための手順が提供されます。顧客の問題の分類を作成したら、よくある問題ごとに関連するワークフローを作成するようにします。

このコンテンツをワークフロー管理システムに組み込めば、エージェントがケースを分類し、関連するトラブルシューティングの手順をすぐに入手できるようになります。

このワークフローで提供される情報により、エージェントは担当する顧客の問題を可能な範囲で解決できるようになります。また、完全に解決できない場合に必要となるエスカレーションの手順も示されます。

エージェントが顧客の問題を解決できるよう、文書化された手順書を用意することが理想的です。また、こうした手順を視覚的に表すプロセスマップを作成することもおすすめします。これは、社内プロセスを変更する際の確認に利用できます。また、視覚化することでエージェントが対応しやすくなる場合もあります。

(ii) 参照資料

これには、エージェントや運用リーダーがアクセスする必要のある情報が含まれますが、顧客の問題の分類における特定の項目には結びつけられていません。サービスに関する説明や一般的なポリシー(顧客対応で使用するトーンなど)といった情報が参照資料です。この資料はナレッジ マネジメント システムを介して利用できるようにします。

このカテゴリには、プロセスやカスタマー ジャーニーのマップも含まれます。これらはカスタマーケア業務の最適化に欠かせない情報です。ワークフローの変更を検討する際に参照することで、運用への潜在的な影響をより適切に把握できます。

(iii) 返信定型文

よくある顧客の問題に対する標準的な回答をまとめて共有すれば、カスタマーケア業務のスピードと一貫性を高めることができます。

ワークフローやトラブルシューティングの手順と同様、返信定型文は、顧客の問題の分類にマッピングする必要があります。エージェントがケースを分類したら、ワークフロー管理システムで関連する回答を入手できるのが理想です。

返信定型文は、顧客対応に求められるトーンと編集のガイドラインに沿って作成することをおすすめします。

4 コンテンツの保守

カスタマーケア業務向けのナレッジ リポジトリのコンテンツは、不変ではありません。ビジネスは変化し、新たな問題が発生し、社内のプロセスは進化します。この変化に対応できる柔軟なナレッジ マネジメント プロセスを構築しましょう。リアルタイムでフィードバックに対応し、コンテンツを定期的に見直すようにします。

時間とともにナレッジ コンテンツの有効性や正確性が損なわれていないことを確かめるために、検討すべきポイントを紹介します。

  • 経験豊富なエージェントなど、対象分野のエキスパートを見つけ、ナレッジ コンテンツの有効性に関する責任を委ねます

  • 社内のコミュニケーション チャネルを設けて維持し、製品担当チームやポリシーチームなどの部門を横断して最新の変更点を共有します

  • ナレッジ コンテンツに関する問題の報告や改善の提案を簡単に行えるフィードバック ループをエージェントに提供します

  • 監査プロセスを導入して、コンテンツの有効性や利用状況を定期的に調べます