品質管理マネジメント

品質保証の安定的なフレームワークを導入し、一貫性のあるカスタマーケアを提供する

1 概要

よく練られた品質管理プログラムは、ユーザーの期待や要求に沿うサポート業務を実現します。次のような場面で力を発揮します。

  1. カスタマーケア品質のベンチマーク テストや継続的な測定
  2. 品質管理関連の重要な問題をプロセスの中で特定し、その問題に対処する
  3. エージェントの目標を設定し、エージェントが責任を持って一貫して高い水準を維持できるようにする
  4. 継続的なプロセス改善という原則を盛り込んだ、高水準のサービスを目指す理念を築く

品質管理プログラムは、細心の注意を払って設計しましょう。適切なバランスを取り、カスタマーケア業務にマイナスの影響を及ぼさないようにすることが重要です。効果の乏しいプログラムでは、エージェントを指揮し、日々の業務を管理する力が損なわれてしまう可能性があります。

2 ビジネスに合わせて設計する

よく練られた品質管理プログラムなら、カスタマーケア業務を包括的に評価できるはずです。品質管理プログラムでは、内部のプロセスに従っているか、ブランドの取り扱いガイドラインに沿っているかなど、さまざまな要因を考慮する必要があります。

品質管理プログラムの目的は、カスタマーケアの品質を高めるための実践的な提案を行うことです。これは、エージェントに示される指針の土台となるものです。具体的には、ユーザー中心の視点でエージェントのパフォーマンスを評価し、共同で最適な解決策を見つけます。

ガイダンス ビジネス上の考慮事項
ビジネスの特定の問題に合わせて__品質の指標と基準を設定する__ ユーザーにとって重要な品質の要素とは? ビジネスの現在の課題は何か?
印象に残る基準を選び、エージェントがユーザーの問い合わせに回答する際に一貫した対応ができるようにする レベルの高いやり取りの核となる要素を可視化できるか? エージェントは品質フレームワークの構成要素を信用しているか?
統計的に有意性のあるサンプルサイズを判断し、中心的な問題と単発的な問題を区別する 品質プログラムの結果に自信を持てるか? エージェントのパフォーマンスを考慮してサンプルサイズを微調整しているか?
提案を実行に移して、エージェントの成長を促し、問題のあるプロセスや余分なポリシーを修正する 品質関連のインサイトで重要性が高く、注意しなければならない情報は何か? エージェントを正しい行動に導くために、品質を示すさまざまな指標の優先順位づけや重み付けをどのように実行するか?

3 効果的な品質管理スコアカードを作成する

品質管理の要件はビジネス戦略によって左右され、組織や市場によっても大きく異なります。ここでは、自社特有のニーズに合った品質スコアカードの作成に役立つ簡単な手順を紹介します。

手順:

  1. ブランドの理念に沿っているか、最初の応対までにかかった時間、解決までのスピードなど、ユーザーとの高品質なやり取りを構成する主な指標を定義し、文書化する
  2. 重要なテーマを決め、MECE(相互に重複せず、全体として漏れがない)を考慮して、この指標を区分する
  3. 最も重要な指標を優先するため、スコアカードで重みを付ける
  4. エージェントに求められる合格基準を割り当てる

エージェントの品質管理スコアカードの例を下の表に示します。各指標に割り当てた重み付けによって、的確で完全な解決策が、この架空の会社の優先事項であることがわかります。ただし、品質の評価を行う標準的な解決策は存在しません。組織ごとに独自の基準や優先順位を定める必要があります。

カテゴリ 指標 スキル 結果 スコア
聞き取り 顧客の話を集中して聞いた アクティブ リスニング はい / いいえ 10 / 0
聞き取り 個人的なつながりを築く機会を探った 関係構築 優れている / 普通 / 改善が必要 20 / 10 / 0
オーナーシップ 前もって言葉で伝えた リーダーシップ はい / いいえ 5 / 0
オーナーシップ 関連する解決策やリソースの情報を提供した リーダーシップ はい / いいえ 10 / 0
オーナーシップ やり取りを完結させた リーダーシップ 優れている / 普通 / 改善が必要 20 / 10 / 0
会社のメッセージ 顧客のニーズに合わせてスタイルを変更した 適応性 優れている / 普通 / 改善が必要 20 / 10 / 0
会社のメッセージ 顧客に対して共感を示した 共感 はい / いいえ 15 / 0
解決策 的確な情報や解決策を提供した 的確さ はい / いいえ 30 / 0
解決策 すべてのシナリオを検討し、完全な解決策を提供した 完全さ はい / いいえ 30 / 0
内部のワークフローと法令遵守 始まりと終わりを正しく完全に実行した プロセスの遵守 はい / いいえ 5 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス コンサルト、エスカレーション、ルーティング、転送のポリシーに正しく従った プロセスの遵守 はい / いいえ 5 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス 顧客満足度調査に回答してもらうよう依頼した プロセスの遵守 はい / いいえ 10 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス 電話の際、プロセスに従い、顧客の状況を確認した プロセスの遵守 はい / いいえ 10 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス ガイドラインに従い、問題を分類した プロセスの遵守 はい / いいえ 5 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス 適切な認証を得てからアカウント情報を共有した プロセスの遵守 はい / いいえ 30 / 0
内部のワークフローとコンプライアンス やり取りを通じて職務を適切に遂行した プロセスの遵守 はい / いいえ 30 / 0

4 プログラム構築のヒント

品質管理プログラムは、ビジネスにとって価値のある資産になる可能性があります。うまく設計すれば、繰り返し発生する問題を特定し、社内の業務の改善を進めるうえで、効果的なツールになります。ここで紹介する便利な使い方を念頭に置いて、品質管理プログラムの構築や最適化を行うことをおすすめします。

  1. 客観性を保つ: 社員同士で互いに働き方を確認し、建設的なフィードバックをしなければならない場合に問題が発生することがあります。「はい / いいえ」のように評価の基準を 2 つにすれば、評価の主観的な要素を最小限に減らすことができます。

  2. 単にチェックボックスを選択する作業にしない: フレームワークをチェックリストとしてみなさないようにしましょう。ユーザーとのやり取りから人間的な要素が奪われる事態は避ける必要があります。エージェントはユーザーごとのニーズや、多様な市場の期待に合わせてスタイルを柔軟に変える必要があります。

  3. 適切な人材を雇用する: 電話やテキストによる大量の問い合わせを確認しながら、細かいことに気を配り続けるというのは、誰にでもできる仕事ではありません。やり取りを評価し、役に立つ提案を行うには、辛抱強さ、専門性、細かい部分を見分ける力が必要です。

4.品質管理プログラムを有意義なものにする: 品質保証は、評価担当者が商品やユーザーの期待を注視していない限り、効果を発揮しません。評価担当者が、カスタマーケア業務の日々の活動に参加し、業務の知識を常に新しく保つことが理想です。

  1. 品質保証の標準を維持する: 品質保証の評価プロセスを定期的に検査することも効果的です。エージェントのパフォーマンスを評価するうえで、品質保証チームが標準を維持していることを確認できます。

6 品質保証に役立つツール: 品質保証評価プロセスをはじめ、さまざまなプラットフォームをご利用いただけます。品質評価プロセスでは、指定したルールに基づいて自動でサンプルを選択し、品質評価の結果を示すレポートを出力します。サンプルの選択、知見の文書化、結果のレポートを手動で行うこともできます。

  1. 品質管理はチームワーク: 品質を分析し、エージェントの育成に活かすことは、カスタマーケア業務に欠かせない要素です。品質保証プログラムに着目するのは、改善を促すためであり、目標に届かないパフォーマンスの責任を追及するためではありません。

  2. エージェントの能力を引き出す: 品質保証チームとカスタマーケアを担うエージェントのコミュニケーション チャネルを設けます。フィードバックを受け取り、品質評価の対象になるプロセスを理解する機会をエージェントに提供します。

  3. 傾向を確認する: 品質保証プロセスの結果の記録や分析から、価値のある知見が得られます。これを活用することで、単発的な問題と繰り返し発生する問題を区別し、変更点について効果を確認し、業務の改善点を時間を追って評価していくことができます。

  4. 協力体制を強化する: 複数の地域をまたぐビジネスにとって、品質保証プロセスは、地域の壁を越えて一貫したカスタマー エクスペリエンスを提供するために、大変重要な役割を果たすことがあります。品質保証プロセスでベスト プラクティスを策定し、ネットワークで共有することもできます。